笑顔の裏側に
そしていよいよ夕食の時。

話し出すタイミングを見計らうけど、なかなか話せない。

やっぱり夕食が終わってからにしようと、どんどん引き伸ばしてしまう。

全ての片付けが終わった今もなお、切り出せずに、悠の隣でソファーに座っていた。

「そろそろ寝るか‥。」

立ち上がってテレビを消した悠の袖を思わず引っ張った。

「どうした?」

「あ、えーと、もう少し起きてない?」

「いいけど‥」

悠がソファーに座り直す。

それから沈黙が流れた。

引き止めた以上、何か話さなきゃいけないのに、何から話せばいいか分からない。

「優美?」

「あのね、話があるの。」

とりあえず出てきた言葉が余計に空気を重くした気がする。

悠の纏う空気が真剣味を増した。

ここまできたら、もう聞くしかない。

「悠はいつまでこの部屋にいてくれるの?」

何も言わない悠に不安になって口を開く。

「もともと私のために始めた同棲でしょ?お母さんとのわだかまりもなくなって、眠れるようになった今、悠はいつか実家に帰っちゃうのかなって思って‥。」

それでも何も言ってくれなくて、重い沈黙が続いた。

隣を見れば、頭を抱えていた。

大きくため息が吐き出されて、ドキッとする。

次の言葉を聞くのが怖くなった私は咄嗟に言葉を紡いだ。
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