笑顔の裏側に
そんな状態が1週間続くと、次第に私も諦めがついた。

それにあんなにぞんざいに扱われて、ずっと話しかけられるほど、私のメンタルは頑丈じゃない。

もうすでに修復できないほどボロボロだ。

舞や彩花、美憂にもかなり心配されていた。

3人にはケンカとしか言ってないけど、その内容は聞かないでくれたのでありがたかった。

聞かれれば、お母さんとのことも話さなければならなくなる。

みんなには知られたくない。

そして悠が出て行ってから2週間が経った頃。

私は悠のバイト先に押しかけることにした。

ずっと行けなかったけど、今日こそは心に決める。

この2週間、私なりに考えた結果、悠に戻ってきてもらおうとするのはやめた。

それこそが悠を縛り付けていると思ったから。

だから最後に自分の気持ちを伝えることにした。

そして悠がまた私と話してくれるのを待とうと思った。

家庭教師が終わって、カフェに向かう。

心臓が早鐘を打つけど、決して足は止めない。

深呼吸をしてドアを開けた。

軽快な音が響き、懐かしいさを感じた。

店内を見渡すけど、悠の姿は見当たらない。

奥で作業しているのだろうか。

とりあえず悠のバイトが終わる時間まで待とう。

そう意気込んで、いつものコーヒーを注文した。
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