笑顔の裏側に
今日は午前中は1コマしかないから、その間に話す内容をしっかり考えよう。

こないだのようなことだけは絶対に避けたい。

麻生を傷つけるなんてことはしたくない。

授業の準備をしつつも、俺はそっちの方ばかり気を取られていた。

そうしてあっという間に昼休み。

先に応接室に入って待っていた。

麻生のクラスの午後の授業は俺からのスタートだ。

だから多少話が伸びても大丈夫だろう。

なんて言おうかあまり大したことは思いつかなかったけど、俺らしく伝えればいい。

いつも通りにしっかりと話せばいいんだ。

そう思っていた。

少し遅いな。

時計を見ると、12:40。

4限が終わってから、もう10分経っている。

4限って何だっけな…と考えているとドアに人影ができてノックされた。
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