笑顔の裏側に
それからお母さんに駅まで送ってもらった。

家に帰りながら頭に浮かぶのは、さっきのことだ。

いつだって悠は私の近くにいたのに、あの日からどんどん悠が遠くなる。

悠が私から離れていく。

考えれば考えるほど辛くなって、今日出た課題レポートに取り組むことにした。

悠がいなくなってから、勉強する時間は格段に増えて、レポートが溜まるという事態がなくなった。

それがいいんだか悪いんだか。

だけど勉強していれば、余計なことを考えなくて済むから。

悠と話すと決めた日までに、やるべきことを考えて動いてはいるけど、もしその日が来る前に悠から別れを告げられたら、何の意味もなさなくなる。

それに当日、悠が来てくれるかどうかも分からない。

だから不安で仕方がないのだ。

レポートが半分くらい終わって、お風呂にでも入ろうと思った時、携帯が鳴った。

誰だろう?と思い、ベットに放ってあった携帯を手に取った。

画面を見た瞬間、手が震えた。

¨チョコ、ありがとう。美味かった。¨

そんな文字が並んでいて。

それだけで涙が滲むほど嬉しい。

ちゃんと私の気持ち、伝わっただろうか。

伝わっているといいな。

そう願って、会いたい気持ちをグッと堪えた。
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