笑顔の裏側に
「この資料をホッチキスで止めてくれ。ここから1枚ずつ重ねていってとめるだけだ。よろしく。」

いわゆる雑用ってやつだ。

雑用自体はあまり嫌いではないが、ずいぶん多い。

3人でやったとしてもそれなりに時間がかかるだろう。

「何の資料ですか?それに先生、多くないですか?」

悠が私の思っていたことを言ってくれた。

「ああ、これはな、明日の学年集会で使う進路の資料だ。ここに学年全員分ある。しかも明日まで。というわけでよろしく。」

もうすでに一人では間に合わないと悟ったというわけか。

なぜ今頃準備しているのか。

もっと早くからやっておけば良かったのに。

そうすれば、私たちはここにいなくて済んだものを。

そう思っても今さらどうしようもないので、テキパキと手を動かす。

ただの単純作業なためか、黙々とやれば結構進む。
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