笑顔の裏側に
あいつは俺たちがそばにいなくても何も変わらなかった。

いつも通り授業を受け、昼休みも勉強していて。

むしろ俺たちと離れてからあいつの成績はすごく伸びたように感じた。

壁に貼り出される順位はもちろん必ず1位で。

授業中に先生に指されても、正確に的を得ていた。

あいつはもう俺たちのことなんて必要なんじゃないか?

それに俺たちがそばにいることであいつに邪魔になっているのかもしれない。

だんだん俺はそう思うようになっていった。

要がいなくなった4人の中では、要のことを話題に出すのは誰もが避けていた。

誰ももう一度要に声をかけようという者などいなかった。

そうしてそのまま月日が流れ、俺たちは高3になった。

さすがに高3にもなれば、受験勉強一色で俺たちもみんなで教え合ったりしてそれなりに頑張っていた。

俺は何にもやりたいことがなくてとりあえず一流大学に入ろうと勉強していた。

そんな日々を送っていたが、俺はいつでも要のことを気にかけていた。

真面目で頑張りすぎるところがあるから、そばにいられない分、余計に心配だった。
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