笑顔の裏側に
その後は淡々と葬儀が済み、あいつがいた頃と何も変わらない日々が続いていた。

でも俺は違った。

数日間、部屋に籠もりっぱなしで食事も喉を通らずただぼんやりと過ごしていた。

あいつがいなくなった。

もう二度と顔を見ることも話すこともできない。

俺の隣はもう一生埋まることはない。

そう思うと辛くて悲しくて。

あんなにそばにいたのに何も気づけなかった。

あいつが死のうと思うまで思い詰めていたなんて。

ごめん。

どんなに叫んでも要に伝わることはない。

そして許されることじゃないんだ。

俺が要を殺した。

俺が気づいていれば。

そう思ってももう遅くて。

どうしようもなかった。

携帯には何通ものメールや着信がきている。

でも俺は何も話す気にはなれなかった。

震える携帯にも嫌気が差し、携帯の電源を落とそうとカバンをあさると、一通の手紙が俺の手元に触れた。

それを取り出し、封を開けた。
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