笑顔の裏側に
すると突然、

「なんか静かすぎませんか?もっと楽しくやりましょうよ。」

と悠が声を上げた。

「じゃあ、神谷、何か面白いことを言えよ。」

何というムッチャブリだろう。

でも確かに作業は進むが、空気が重苦しい。

「いきなり言われても…」

明らかに悠は困り果てていた。

そのときタイミングを見計らうように、

「ピンポンパンポン〜♬
3年C組、神谷悠斗、3年C組、神谷悠斗、校舎内にいるならば至急職員室星野のところまで来なさい。」

何かしたのだろうか?

校内放送で呼び出されることは滅多にない。

しかも名指しで呼ばれるということはそれなりの理由があるはずだ。

「神谷、何かしたのか?」

先生も不思議そうに尋ねている。

「心当たりはないのですが…。すみません。少し出てきますね。」

そう言って悠は職員室に向かった。
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