笑顔の裏側に
あれから1ヶ月ほど経った。

ちゃんとお線香を上げに要の家まで行き、少しずつだが、要の死を受け入れられるようになっていた。

そして俺は何とか3人に支えられながら、受験勉強をしている。

要が応援してくれているように教師になることを決めて。

今までそれなりに勉強はしてきたから、成績が足りないわけじゃない。

でも絶対に合格できるなんていう安心はないから、しっかり勉強をしていた。

それに勉強している時は、要を失ったことへの悲しみや喪失感から解放された。

だから以前より熱心に勉強しているせいか、志望校はA判定で落ち着いている。

むしろもう一つレベルの高い学校も狙えるぐらいだと担任から言われた。

とりあえずその大学も志望校としていれておこうと思いながら、日々、勉強に明け暮れていた。

そうやって悲しみをごまかしながら、ちょうど要が俺のそばにいなってから、1ヶ月が経とうとしていた。

そして要の命日のちょうど1ヶ月後、俺のところに蒼が訪ねてきたのだった。

俺が自習室に行く準備を一旦やめ、蒼の方に向かう。

「蒼。どうした??」

「あの、話があるんです。」

そう言った蒼の表情は硬く緊張していた。
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