笑顔の裏側に
俺たちに危害が及ぶぐらいなら、自分が嫌われればいい。

自分のせいで傷つけるぐらいならよっぽどましだ。

ずっとそばにいてくれた大切な存在だからちゃんと自分で守りたい。

そんな想いを胸に、あいつはずっと耐えていた。

どうして言ってくれなかったんだよ?

俺は何と言われようとよかった。

傷ついても平気だった。

要がそばにいてくれればそれだけでよかったのに…。

どうしていつも何でも一人で決める??

俺はそんなに頼りないのか?

何も言ってくれなかった悲しさとやり切れなさ。

それと同時に気づかなかった自分の愚かさと情けなさ。

もっと問い詰めて無理やりにでも聞き出すべきだったという後悔。

いろんな感情が混ざり合って俺は胸が張り裂けそうなくらい苦しくてたまらなかった。

「蒼…。話してくれてありがとう。」

そう言うのが精一杯だった。

蒼も涙を流してうなずきながら続ける。
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