笑顔の裏側に
職員室の戸棚から麻生の個人情報が書いてあるファイルを取り出し、住所を調べる。

その場所を携帯で確認して急いで車に行き、鍵を開け麻生を運んだ。

そのまま麻生総合病院の近くまで走らせる。

途中でコンビニに寄って、飲み物を買った。

携帯の地図を確認しながら、麻生の家を探す。

するとすぐに立派な家が見つかった。

表札にちゃんと”麻生”と書いてある。

車から降りて麻生をそっと起こす。

「麻生…。麻生…。」

呼びかけるとすぐに起きた。

「先生？」

「大丈夫か？高熱で倒れたんだ。今家に着いたから。それで鍵持ってる？」

一瞬混乱しているように見えたが、すべて思い出したようだった。

「先生、申し訳ありません。ありがとうございました。」

そう言って制服のポケットから鍵を取り出し、自分で歩き始める。

気力で何とか歩いているみたいだが、かなり辛そうだ。

「どうぞ。」

ドアを開けるとそのドアにもたれるように立っている。
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