笑顔の裏側に
熱は下がったのだろうか?

そう思い、額に手を当てると、少し熱い。

完全には治ってないな。

「熱は何度?」

「36.5です。」

そんな低いわけない。

俺の手のひらより熱いんだ。

37度あってもおかしくはないはず。

「正直に答えろ。」

少し低めの声で言えば、

「37.7…。」

今にも消えそうな声で答える。

やっぱり。

完全には下がってないか。

3時間ぐらいしか眠っていないもんな。

「ありがとな。でも休んでろ。また熱上がったら困るだろ?」

そう言うと俺の隣に座った。

ソファーの背もたれに体重を預けて静かに座っていた。

怠いんだろう。

熱があるのに俺のために無理するから。

でも嬉しかった。

いつもお互いに強く当たってしまうから麻生の優しさに触れることがとても心地よかった。

麻生のさりげない優しさに心が暖かくなる。

「麻生、ありがとな。美味しいよ。」

「良かったです。ちょっと失礼します。」

そう言ってリビングを出て行った。
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