笑顔の裏側に
「38.5か…。上がっちゃったな…。」

通りで寒気がするわけだ。

「気分は落ち着いた?」

「はい。だいぶ…。」

すべて吐き出したせいか、いくらか楽になった。

でもまだ横になれそうもない。

しばしまた沈黙が訪れる。

「先生はもう休んでください。起こしてしまって申し訳ありませんでした。私はもう少し落ち着くまで様子見ます。」

もう5時になる。

随分と洗面所にいたものだ。

「大丈夫。明日は休みだし。」

そう言ってずっと隣にいてくれた。

何か話すわけじゃない。

私はだるくて話す気にはなれなくて。

先生の方もそんな私に気づいて話しかけては来ない。

だけど不思議と重苦しくはない。

むしろ心地よかった。

でも体調の方は全然良くなってはくれない。

先生だって疲れてるはず。

その証拠にこのままだともうすぐ寝そうだ。

私はというとすっかり目が覚めてしまっていた。

きっともう寝られない。
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