新選組〜猫みたいな君が好き〜
〜土方歳三〜



総「両者構え! はじめ!」



 俺達は両者動かない。


 ?!


 どういうことだ?


 コイツには隙が全くない。


 

 その時、アイツから放たれていた殺気が今までで一番強くなった。



 何か来るっ!


 俺は木刀を握る手に力を入れる。




 すると、アイツはゆらゆらと揺れ始めた。


 その動きは不規則。


 いつ、何がどう来るかわからない。



美「迅雷逸走流………一閃!!!!」


 あいつは何かを言った。木刀を俺に向かって投げた。


 その時には視界から消えていた。



 消えていたのはあいつだけ。


 向かってくる木刀を弾こうとすると…………


グイッ



 後ろから襟を引っ張られ、仰向けに倒れてしまう。



ピタッ




 アイツは俺の襟を掴んだまま、至近距離にいた。


 間違いなく木刀の切っ先は俺の喉仏に突きつけられている。



 いま、何が起こったんだ?!



 速すぎて分からなかった。




美「私の、勝ちだな。」


 口角を上げた猫継は、凛としていて、美しかった。



 猫継は俺から手を話すと、自慢有りげに言った。


美「真剣だったら貴様、死んでいたぞ。幸運に思うんだな。」





総「………!!!一本!勝者、猫継美夜!」





 とんでもねぇな。




〜end〜
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