新選組〜猫みたいな君が好き〜
総「美夜ちゃん。あれ、どういう動き?僕、全くわからなかったんだけど。」
美「じゃあ、再現するよ。土方。」
私が促すと土方は、渋々といった顔で位置につく。
美「まず、私は木刀を投げた。」
土「ちょっとまて、もっと前から説明しろ。あの構えは何だ?」
そんな事もわからないのか土方。
やっぱ三十路の脳はヤバイな。
土「全部口から出て「あれは私の家に代々伝わる…………」無視かよ」
美「迅雷逸走流(ジンライイッソウ)の構えだ。敵に動きを悟られない。」
この構えは私も猫夜叉の時に使っていた。
よく効果的で、不意打ちなどに長けている。
美「次に私は、木刀を投げた。お前はそれに気を取られ、私から目線を逸らした。」
総「じゃあさ、いつの間に土方さんの背後にいたの?」
美「木刀より早く動いただけだ。」
平「マジかよ」
周りのみんなが信じらんねぇ、という顔で見てくるけど、現に私はその技をやったのだ。
ちなみにそれが迅雷逸走流の中で最も簡単な技だ。
これを習得したのは3歳だったかな。
美「ここからはわかるだろう。土方の襟を引っ張り、無様に転ばせた。」
総「なるほど、君、すごいね。」
土「無様には、余計だ…………」
三十路のコイツに勝つことは容易いな。