新選組〜猫みたいな君が好き〜


総「美夜ちゃん。あれ、どういう動き?僕、全くわからなかったんだけど。」



美「じゃあ、再現するよ。土方。」



 私が促すと土方は、渋々といった顔で位置につく。



美「まず、私は木刀を投げた。」



土「ちょっとまて、もっと前から説明しろ。あの構えは何だ?」



 そんな事もわからないのか土方。


 やっぱ三十路の脳はヤバイな。


土「全部口から出て「あれは私の家に代々伝わる…………」無視かよ」



美「迅雷逸走流(ジンライイッソウ)の構えだ。敵に動きを悟られない。」



 この構えは私も猫夜叉の時に使っていた。


 よく効果的で、不意打ちなどに長けている。



美「次に私は、木刀を投げた。お前はそれに気を取られ、私から目線を逸らした。」



総「じゃあさ、いつの間に土方さんの背後にいたの?」



美「木刀より早く動いただけだ。」


平「マジかよ」



 周りのみんなが信じらんねぇ、という顔で見てくるけど、現に私はその技をやったのだ。



 ちなみにそれが迅雷逸走流の中で最も簡単な技だ。



 これを習得したのは3歳だったかな。




美「ここからはわかるだろう。土方の襟を引っ張り、無様に転ばせた。」


総「なるほど、君、すごいね。」


土「無様には、余計だ…………」



 三十路のコイツに勝つことは容易いな。


< 44 / 118 >

この作品をシェア

pagetop