新選組〜猫みたいな君が好き〜
パチッパチッ
囲炉裏で燃える焚き火の音で目が覚めた。
?「目が覚めた?」
朦朧としている頭を無理やり起こし、目をこする。
暖かい色で燃える囲炉裏の前に座っていた人がいた。
ここまで、運んできてくれたのだろうか。
美「あの、ありがとう御座います。」
?「…………………君、何か勘違いしてるようだね。」
え?
男の顔つきが急に歪む。
?「猫継最期の生き残り…………か。なんの事情があったか知らないけど自分からきてくれるなんて、幸運だね。」
私は男の言葉の意味が分からなかった。
ただ、目の前の人間が、怖い。
何故私の正体を知ってるの?
私は口調を変え、尋ねる。
美「なんのつもりだ?何故、私の正体を知ってる?此処は何処だ?お前は誰だ。」
男はおちゃらけた態度で笑う。
男「俺の名前は、東御考之助。此処は、そうだね、裏市場。」
美「裏市場?」
東「後で説明するよ。おまえの正体は妖気で分かる。俺は陰陽師だからね。」
?!
私は咄嗟に腰へと手を伸ばすが、それは宙を浮く。
刀を取られた…………?
陰陽師ということは、あの時私に毒を持ったのはコイツだ。
東「ついてきなさい。見せてあげるよ。」
何故か東御の言葉に逆らえず、素直に体が動いた。