新選組〜猫みたいな君が好き〜
東「愚かな………まんまと引っかかりやがって………」
桜「うっ………」
美「桜!」
東御は桜の首を締め上げる。
床に足はついていなくて、涙目になっている。
東御は刀を鞘から抜き、桜の首筋をなぞる。
垂れた紅い鮮血は桜の襟に染みこんでいく。
千「東御!!!!お前を…………殺してやる!」
千夏は殺気を強め、姿を変えた。
がしゃ髑髏だ。
千夏は床に手をゆっくりと入れる。
本来入るはずないのだが、力を発揮すると、黒く波紋のように広がる穴。
すると、東御の真後ろに、同じように波紋が広がる。
・
そこから出てきた骸骨の手。
それは東御の身長を遥かに越える大きさ。
骸骨の手は東御をつかもうとする。
東「海崎の血は惜しいなぁ。まぁ、抵抗するならしょうがない………」
東御は片手を徐ろに上げ、スッと下へ下ろした。
千「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
桜…………………?
骸骨の手は、斬られていた。
桜の持つ、氷の刀で。
なんで………桜が………?
斬られた傷口から凍傷になっていく。
千夏は苦痛に顔を歪めながら桜を見やる。
すると、桜は涙を流した。
桜「ごめんっ………ごめん千夏………」
涙を流しながら千夏に謝るが、刀は私達に向けたまま。
桜は刀を振り回しながら突進してくる。
まずい、逃げなきゃっ………!!!!
楓也と桐生は逃げ出す。
私も千夏とこの場を離れようとしたけど…………
千「美夜っち逃げてぇ………ウチ、無理や。」
美「何言ってんの?!」
千夏の腕はもう凍傷になっていて、動かすことが出来ない。
千夏の肌が氷に包まれ始め、もう肩まで凍っている。
私は強く千夏の腕を引っ張る。
すると、千夏は私を突き飛ばした。
千「早う逃げろ言ってるやん!!」
私は尻餅をつき、千夏と大きく離れてしまう。
涙目になりながら私を怒鳴る千夏。
手遅れだった。