新選組〜猫みたいな君が好き〜
桜のところへ戻ると、楓也が血塗れで倒れていた。
心臓をひと突き。
桜…………
辺りを見回すも、桜と東御が居ない。
どこへいった?
私は廊下を進む。
すると、中庭に出た。
…………いた。
月を見上げている。
今だ。
よくも…………よくもみんなを…………
殺意が湧いて来る。
抑え切れそうにない。
このまま怒りに身を任せて、あいつを殺してしまおうか。
その背中に刀を突き立てようかと思ったとき。
背後に気配を感じた。
敵だ。
私は心の中で念じる。
ヒュッ
パシッ
私の手の中には、愛刀《櫻騎山》が。
一瞬で鞘から抜き、背後に感じる気配の急所を突く。
…………………………………え?