新選組〜猫みたいな君が好き〜



 桜のところへ戻ると、楓也が血塗れで倒れていた。



 心臓をひと突き。


 桜…………



 辺りを見回すも、桜と東御が居ない。



 どこへいった?


 
 私は廊下を進む。



 すると、中庭に出た。



 …………いた。




 月を見上げている。



 今だ。



 よくも…………よくもみんなを…………




 殺意が湧いて来る。



 抑え切れそうにない。



 このまま怒りに身を任せて、あいつを殺してしまおうか。



 

 その背中に刀を突き立てようかと思ったとき。



 背後に気配を感じた。


 敵だ。



 私は心の中で念じる。


ヒュッ



パシッ



 私の手の中には、愛刀《櫻騎山》が。



 一瞬で鞘から抜き、背後に感じる気配の急所を突く。
















 …………………………………え?








< 81 / 118 >

この作品をシェア

pagetop