新選組〜猫みたいな君が好き〜




 何?此処。




 見たことある木目の天井が目に移る。



 ここは…………屯所じゃないだろうか。



 誰が運んできた?



 起き上がろうとすると、体にげきつうが走る。




 呆気無く布団に再び倒れた私。



 身体を見ると、所々に包帯が巻いてある。




 ……………………………………!?




 身体……………………見られた………………………




 驚いた、だろうな。




 痣に切り傷、ミミズ腫れとか、酷かったからな。




 



 それにしても、やけに静かだな。



 何も聞こえない。



 誰もいないのかな。



 

 起き上がれないから、誰かが来るのを待つしかないな。



 


 桜、千夏、桐生、楓也。



 みんな、死んだ。



 私のせいだ。



 私が、東御の手から守れなかった。




 みんな家族がいた。仲間がいた。



 待ってくれる、人がいた。



 なのに…………………




 守れなかった。





 
 言い表せない悔しさがこみ上げてきて、涙が溢れそうになる。




 私だけが生き残って………




 ごめん。ごめんね。みんな。



 



 


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