新選組〜猫みたいな君が好き〜
またこの場所に
誰か…………来てくれないかな。
みんなの顔、早く見たい。
ま、これだけ放置されたらって………
それに、相変わらず何も聞こえないし。
誰でもいいから来てほしい。
すると、ずっと襖が閉まっていて暗かった部屋に、突然光が差し込んだ。
余りに眩しくて、目をつぶる。
逆光でよく見えないけれど、人が沢山いるのはわかる。
もしかして…………
そう思った時、誰かが私に抱きついた。
ぅっ!!
痛い痛い痛い痛い痛いィ!!!
傷口触るなよぉ!!
苦痛に顔をゆがめていると、その人は腕を離した。
総司!
私に、抱きついた人は総司だった。
他の幹部のみんなもいる。
懐かしすぎて、会いたすぎて、涙が出そうだ。
胸からこみ上げて来るものを押さえたくて、俯いてしまう。
すると、誰かが私の顔を上げた。
佐之?
真っ直ぐに見つめられ、少し戸惑う。
え?
なんて、言ってるの?
なんで、声が聞こえないの?
なんで?
私は耳を押さえる。
その私を不審に思ったのか、平助が私に近寄る。
やっぱり、声は聴こえなくて、口を動かしている事しか解からない。