青空の下月夜に舞う 3

え。


そう思ったのも束の間。

私と祐也以外のみんなの顔が輝いた様に見えた。


「上野さん!!いいんじゃない?」

「俺もそう思う」

「いいじゃん。女子トップバッター」

「大丈夫だよね。みんなできっとフォローしよう!」


うんうん、と。
ダラダラしていた雰囲気が一転。


みんな、最初に走るのは嫌だって顔に書いてあるよ。
きっと誰もがやりたくなかったであろう、第1走者。

祐也が言ったからこれみよがしに……


横目で祐也を睨むけど、あくびしてるし。

クソ。


「祐也がアンカーならいいよ。私一番でも」


ボソリ。
呟いた言葉に。

田宮さんと渡辺さんだけじゃなく。

テラスの女子みんながこちらに注目したのが分かった。
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