青空の下月夜に舞う 3
とりあえず、流して走ってみようか、って事になったけど。

2回走って、どちらも祐也は明らかに軽くしか走ってない。


それなら小学生の早い子には抜かれるぞ!!

でも周りは何も言わない。



テラスの女子も何だかきゃあきゃあ言ってるし。


「後1回走って帰ろうか、ね?」

「さんせーい」


田宮さんの声に、祐也が反応。

……耳まで赤いよ。大丈夫かな。


何でこんなヤツがモテるんだよ。
黄色い声が謎過ぎ。



多くのギャラリーに見守られながら、練習は終わり、再来週またやろうって事で解散となった。


「麻衣、早く着替えてこいよ」

「……」

「シカトすんな~」


職員出口に向かって歩く祐也が、下駄箱に向かう私に声をかける。

なんだろう。今はコイツを無視したい気分だ。
< 145 / 294 >

この作品をシェア

pagetop