青空の下月夜に舞う 3
廊下を一人歩きながら、吹き抜ける風が頬から髪に抜ける。

真面目に最初っからやんないなら、体力測定の時に遅く走るべきだよ。

みんなの迷惑だ。


しかも何でみんな言わないの?
アイツ王様みたいじゃん、ムカつく。


ロッカーに体操服を突っ込んで、着替え終わると、田宮さんと渡辺さんが入れ替わりに女子ロッカー室に入ってきた。


「ヤバかったよね。喋っちゃったよ私!」

「再来週が待ち遠しいよ~……あ」


“あ”

は、きっと私に気付いて話を止めた。

顔を反らして、横を通り過ぎると、背中に視線を感じた気がしたけど、振り返らずに廊下を早歩き。


教室ではクラスみんなが、“関わりたくない”オーラ出してるのに。

こんな時ばっかり。


イライラする。
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