青空の下月夜に舞う 3

へぇ。

たまにみんなの口から出てくる“雅也さん”の名前。

じゃあ今日は慶太郎の家静かなんだろうな。


「そうなんだ。今日私バイトないからそのまま……」


帰るねって。
言おうとしたのに。


「じゃあ麻衣ちゃん慶太郎くんの後ろに乗ってね」

「……は」


あちーな~と。呑気に言いながらみんなは背中を向けて、足は校門へ。


ちょ、ちょっと待って!

慌てて先を行く隼人の服を掴む。


「嘘。みんな見てる前で乗るの?」

「人が居ないところ探すの?」

「目立つじゃん!」

「あはは!もう十分有名人なのに?」


そういう問題じゃないし!

私達のやり取りは、みんな何とも思ってないらしく、掴まれてる隼人以外の人は、もう既にバイクに股がっていて。
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