青空の下月夜に舞う 3

「ほら、行こう?余計目立つよ?」

「!!」


意地悪だ。どいつもコイツも。

数秒睨んだ後、渋々服の裾を離すと「早くしろよ~。高崎(先生)達が出てくるぞ~」と慶太郎の声が。


祐也も他2台の後ろに乗っていて、私と隼人待ち状態。

ピンクのヘルメットを受け取り、慶太郎の後ろに乗ると、エンジンがかかり、それを吹かせば、学校側から何やら声が聞こえた。


何だろう、と。
振り向いて確認をしようとしたその時。


「見ない方がいいよ。今振り向くとカメラ目線になる」


……え。

しかし、人間ダメだと言われたら振り向きたくなるもので。

条件反射みたいなもん。

ゆっくり走り出したバイク。
そこから視線だけを動かすなんて、瞬時には考えられなくて。

校門に立ってた女の子達がスマホをこちらに向けていた。
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