青空の下月夜に舞う 3
一瞬だったけど、見えた光景に鳥肌が立つ。
「何あれ……」
ポツリ。呟いた言葉は、運転する慶太郎に届いたかは分からない。
夜走る時とは違って、蛇行運転もしないし、信号無視もしないけど……
さっきのみんなの反応を見て、余計に周りの目が気になった。
夜よりも。今の方が、絶対目立ってないのに。
芸能人でもあるまいし……
これで分かった。
噂が一気に何故広まるのか。
話には聞いていたけど、どこか現実味が無かったから。
みんなが居る“世界”が。
人とは違うんだ。
ただ不良やってるってだけで、有名人になるなんて、変なの。って思ってたんだもん。
目立つ行動をしてるから、目立つんじゃない。
それもあるだろうけど……
目が止まる様に仕向けているのは……“みんな”だ。