青空の下月夜に舞う 3
迷い


はい、って。


飲んでいいの?
ここ慶太郎の家じゃないよ?

睨む様にオレンジジュースを見つめ……


足を一歩。踏み出そうとした瞬間。


「誰~?」


ーーびくぅ!!!!


聞きなれない声。

思わずそちらを見ると、カウンターから左。
奥へ続くフロアがあったのを初めて知る。

しかもあっちは暗い。

どのくらいの広さなんだ?
と、足を踏み入れて最初に感じるであろう疑問を、今更に思った。


「俺~」

慶太郎が口にすると、

「お前勝手に飲むなよ~。単車ならあぶねえだろ」

「酒は飲んでないよ。オレンジジュース」

「まだねみぃよ。今何時?」



見えない相手と話してる……
暗いフロアからいつ声の主が出てくるのかと、体が緊張に包まれる。
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