青空の下月夜に舞う 3
「今?5時半」

「まじだりー。お前代わりに買い出し行けよ」

「祐也が来るから、電話すれば?外暑いし。俺はもう出ない」

「チッ……使えねえ……」


ーーコト。

暗いフロアから聞こえたのは、きっと靴の音。


そして。

コトコトコト。

足音が近付いてきて。


「ねみぃ~……あ」


暗がりから出て来て、目が合い、声を漏らした人は、黒のブラウスに、黒のパンツ。

しかもブラウスはだけてるし。

黒髪は短くて、清潔感がある。


一言で言えば、優しそうなお兄さん、だ。

丸い目をこちらに向けたその人は、私からすぐに目を反らし。


「慶太郎、お前女連れてくるの無しだって前にも言っただろうが」


さっき話してた口調とはまるで違う。
脅すように話す声は、私に対しての嫌悪感を現している様だった。
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