青空の下月夜に舞う 3
オレンジジュースも目の前にあるけど、正直私はご飯は水かお茶が有り難い。

きっとそんな人は、少なくはないだろう。

小さな気遣いが凄くスマートに見えて、素敵だなと思った。


「お客さんは女の人は、全然歓迎だけど、アイツらは客じゃないだろ?ここは一応俺の城だからさ。女はダメだって言ってあんのよ。きゃあきゃあされるのが苦手だもんで」

「すみません……」

「違う違う。いちゃつきたいなら、ここでじゃなくて、家でやれって意味」


ああ。そういう事か。


「ずっと会いたかったんだよね。麻衣ちゃんに。誰にも媚びないらしいじゃん?ヤってないんでしょ?誰とも」

「……ぶっ、」

「わ!麻衣ちゃん、女の子は口から吹いちゃダメだよ」


思わず吹き出した私に、冷静にティッシュを差し出す雅也さん。

いやいやいや、あんたのせいなんですが。
< 162 / 294 >

この作品をシェア

pagetop