青空の下月夜に舞う 3
腰を上げようとした祐也の動きがピタリと止まった。

雄大はその様子を見て、ひとつ、息を吐くと、もう一度



「強くないと、守りたいものは守れねえ」

「……」

「相手が悪い。お前は俺には勝てない」


そう言い捨てると。

雄大を睨むだけで、祐也の動きは完全に停止。


そんな祐也を、雄大は鼻で笑い、視線を私に移した。



「麻衣、家に帰れ」


雄大の言葉に、指がピクリと動く。


それは……また雄大が私を好きに出来る状況を作れって意味……?

先程しようとした、先の行為を。
言葉ひとつで、そこまで考えさせる辺り、とても雄大らしい。


「選ぶ、なんて考えるなよ。“家に帰れ”。分かったな」





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