青空の下月夜に舞う 3
踵を返した雄大は、裏門に向かって歩く。

祐也は、既に戦意喪失。
雄大の背中を見つめていると、スマホを耳に当てた数秒後。

目の前に車が停車。
振り返る事なく、この場を去っていった。


ふと祐也を見ると、雄大が帰って行った方向を見つめ、考え事をしている様だった。



家に……?

ゾクリ、鳥肌が立ち、自分自身を抱きしめる。



また雄大のいいなりにならなきゃいけないの?


やっと解放されたのに。

平和だったこの期間が、全て無かったことになるの?

不安が襲う。

嫌でも思い出す、あの家での思い出は、雄大一色の、まるで飼育小屋だ。
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