青空の下月夜に舞う 3
「気にすんな。大した事ねぇよ」
無理だよ。
気にするよ。
心なしか元気がない様に思える祐也の声色が、近付いてくる。
私の頭に、温もりが届く。
きっと、祐也の手が私の頭の上にある。
「アイツの言うことなんか気にすんなよ。お前はこのままでいい」
それだけを言うと、泣き止むまで黙って頭を撫で続けてくれた。
私が落ち着いた所で、どこかに電話をかけた祐也は、裸女達の所には行かず、私達二人で慶太郎の家まで帰った。
激しい喧嘩のわりには、普通に歩いている姿に、声をかけようかと思ったけど、口を開けば、取り乱してしまいそうで、お互い黙ったまま帰宅した。
「勝手に出ていく事は絶対にするな」
そう言って、部屋に直接戻る私に念を押した祐也は、リビングへと吸い込まれて行った。