青空の下月夜に舞う 3
バスが来て中に乗り込むと、一番後ろに座って、外を見る響の姿に、妙な違和感。


あ。そうだ。

二人きりで、昼間居るの、初めてだ。


隣に座って、チラ見すると、瞼を閉じていて。

響全然焼けてないな。
肌綺麗だし。

バスに揺られながら。


この響の行動も、きっと私を守ってくれてるんだよね。
申し訳なさよりも、有り難く感じ出したのに。


前の椅子の背もたれに頭を乗せて。

頭の中を。
今はなるべく何も考えない様にしよう、と。
瞼を閉じた。


来週の。体育祭が終わったら。
みんなに話そう。

祐也が言うように、黙って出ていく事は出来ないから。


裸女は、基本的に一人にはならない。
雄大もきっと直ぐには行動に移さないだろう。

もう少しだけ。


甘えさせて、と思うのは。ダメなのかな。
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