青空の下月夜に舞う 3
私の答えを聞いて、少し間を開けたけど。


「質問が間違った。何でバスで寝るぐらい眠いんだよ」


何でコイツはこんなに鋭いんだよ。
しかも、かなり核心を突いてくる。

そして分かったことがひとつ。


祐也は、この前の話をしてないんだ。


もし響が知ってたなら、この質問はしてこない筈だ。


「揺れが……気持ちよかったから」

「誤魔化すなよ」


ーーヒュッ、と。

息を飲んだ。

響の声が、僅かに低くなって。

靴に移した視線を、ゆっくり響に向ければ。


「脅されて、ない?私」


威嚇されているみたいなんですけど。

背もたれに肩肘をつき、頭の体重を乗せ……片足はベンチに。

睨まれてはいないけど、圧力をかけられているみたい。
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