青空の下月夜に舞う 3
何か言いたげな様子だったけど、暫く見つめあった後。

「そうか」

と、だけ言葉を落とすと、前を向いた。



暫くの沈黙。

風の音と、たまに通る車。
さっきは、小さなライトを付けていただけなのに、やっとバスが来た頃は、もうすっかり辺りは闇に包まれていた。

隣に座るけど、響はやはり口を開く事はなくて。


睡眠不足の筈なのに、頭は自棄にクリアだ。

慶太郎の家に着けば、みんな集まっていて。
バス乗り過ごした話をすれば、豪快に笑われた。


リビングに響も居たけど、話しかけられる事もなく、私はみんなと話して笑って。

このまま時が止まってくれたらいいのに。


小さな小さな自分の居場所。


もうすぐ。決断しなきゃいけない。



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