青空の下月夜に舞う ３

バイトも始まり、私にとってはいつも通りの毎日。

だけど週末を過ぎても、祐也は姿を現す事はなかった。


体育祭のリハーサルも終わり、選抜リレーの最終練習も、祐也抜きで行われた。


「上野さん連絡取れたりしないかな？」


遠慮がちに言う村田くんに、携帯を持っていないと伝えたけど。明らかに怪しむ目を向けられてしまう。


今時携帯ないって信じてもらえないよね。普通は……


生憎、普通と言われる環境が分からない所で育って生活しているものだから、もうそれはしょうがない。


そんな日々の中、いよいよ体育祭前日土曜日。

体育祭の準備をしながら、さゆりさん達を見つけ、手を振ると、リカさんが変顔で返事をしてくれて、学校で久しぶりに笑った。