青空の下月夜に舞う 3
昨日はぐっすり眠れた。

頭を巡るものを、完全にストップさせるのは無理だから、熱いお風呂に入って、無理矢理瞼を閉じたんだ。



おかげで頭はスッキリ。


もう決心は着いた。

迷わない。
……迷えない。


だから、今日だけは。


「祐也」

「んあ?」


名前を呼ぶと、ふざけた返事。

私はコイツを見てんのに。
コイツは外見てるし。


「今日ね、私凄くいい思い出にしたいの」


私の言葉に、“何言ってんだ”って目を向けられた。



「来年はさ、もう無理かもしんないでしょ。こうやって二人で選抜に選ばれるとか。クラス変わるかもしれないし」

「ああ……?うん」

「だからさ。頑張ろうよ。私一番になりたい」



一番は。無理かもしれないけど。
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