青空の下月夜に舞う 3
悟られちゃいけない。
だから、わざと。
“クラス替え”を選んで口にしたんだ。
「い、一番にはなれないかもしれないけどさ、なれたら最高じゃない?」
「そうかぁ?」
「私と祐也が当事者なんだよ?二人だけの思い出になるじゃん!大人になっても今日の話しようよ」
私の言葉に、ピクリと反応した。
ズルい言葉選びでごめん。
二人だけ、ではなく、正確には6人での、思い出なんだけど。
気持ちを利用するみたいで、少しの罪悪感。
「祐也が……私の思い出、作るんだよ?」
なんてったって、アンカーだもん。
ちょっと拗ねた言い方をした私。
その言葉を聞いた祐也は、再び顔を外に向けて、軽く息を吐く。
「ちゅーぐらい、させろよ?」
いいよ、って。
ちょっとだけ思ったのは、内緒にしておこうと思う。
ズルくてごめん。