青空の下月夜に舞う 3




ーーーーいよいよ。始まった。



当たり前に、最初の開会式や、体操の時には、祐也は居なかったけど。


クラス毎に、椅子に座る時になると、校舎からダルそうにこちらに歩いてくる姿が見えた。


「良かった……」


ボソリと聞こえたその声は、村田くんだった。


うんうん。気持ちは分かるよ。

学校には来てても、日影から動きそうにないもんね。
男子側に座っているけど、明らかに祐也の方を向いているから、私の耳に届いたんだろう。


村田くん以外でも、見てる人は居るけどね。

グラウンド内では、玉入れをする一年生。
自分の競技はまだまだ先だから、準備すらまだしなくていい状況。

私は腰を上げて、自分のクラスの輪から抜け出した。
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