青空の下月夜に舞う 3
「慶太郎!響!」
呼んでくれたのは慶太郎。
笑顔で手を振ってくれていて。
響はダルそうだけど、柔らかい笑みを浮かべてくれている。
居る場所は、用具置き場のテント。
まさかそんなとこに人が居るとは思わないじゃん。
しかも、私のスタートする所の斜め前。
「麻衣ちゃん顔真っ白になったら、俺が綺麗にしてあげるからね?」
「いや、いいし」
「俺今傷付いた」
ふふふふ。
バカだな、慶太郎は。
冗談を言われ、緊張は全くなくなったけどね。
先生に促され、くじを引くと、一番外側から走ることになり、慶太郎と響との距離が更に近付いて。
何とも言い難い気持ちのままのスタートだったけど。