青空の下月夜に舞う 3
響達もそうだけど、状況把握が上手い。

私そんな分かりやすい顔してるかな。


でも、大方想像がつくのは、さゆりさんの中でも思うところがあるんだろうと思った。


さゆりさんの隣に腰を下ろし、暫くさゆりさんをみつめていると。


「はあ……参ったな」


そう呟いて、用具置き場の方を見ながら、ぽつりぽつりと話を始めた。



「慶太郎の事、好きになって5年だ」



さゆりさんの視線は、きっと用具入れではなく昔の自分達を見ているんだろう。

恥ずかしがる事なんてしない。
言葉を放つさゆりさんは、清々しいくらいに堂々としている。


胸を張って言えるぐらい、慶太郎が好きなんだ。
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