青空の下月夜に舞う 3
「中学の時はさ、あんな風に笑ってなかったんだよ。あ、大丈夫かな。アイツの昔ばなし知ってる?」
私は頭を縦に動かした。
「麻衣は信用してんだな。嬉しいよ。周りが温かくて」
自分の事のように、相手を想って。
こんな風に目尻を下げることが出来る人は、どれくらい居るんだろう。
「最初はさ……喧嘩ばっかりしてるくせに、寂しそうに笑う器用なヤツってぐらいだったんだよ」
何となく想像が出来る気がする。
昔を聞くのと、実際見るのでは違うのは分かる。
私が想像してる以上に荒れてたんだろうし、言い表せない表情をしていたんだろう。
「私も美咲と仲良くなって。アイツ等と仲良くなるのはあっという間だったよ。そしたら、どんどん気になって……気付いたら、慶太郎しか見えないぐらい好きになってた」