青空の下月夜に舞う 3
家を出た時。
女は連れ込み放題だし、お金はある、って私に話した慶太郎。

強がりだってあの時から分かってたけど。
真相は、とってもとっても純粋で。


「“寂しくねえか”って。それだけだったよ」


バカだよなぁって。


“バカ”には……凄く愛情がこもっていた。


「寂しいのは、自分じゃねえのかよって。だから。私は慶太郎がずっと好きなんだと思う。隠してた訳じゃねえよ?照れるだろ。こんな話。リカにもカナにもしねぇよ」


ゆっくり顔をさゆりさんに戻してみると。

少しだけ目を赤くしていた。


見守ろうとした、覚悟に。
私も泣きたくなった。



ギュッと拳を握る。

今。


さゆりさんに話を聞けて良かった。
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