青空の下月夜に舞う 3
頭に巻いて、その場で屈伸。

順番通り並んでいると、トップバッターは、やはりみんな男子。


だから最初は嫌だったんだけど。


でも今日は一生懸命走らないと。



「あ、上原くん……」


その声に振り向くと、祐也がちゃんと入場門に。
ハチマキを受け取って、頭に巻く姿を見た。


ダメだ。
さゆりさんにさっき話したせいか、泣きそうだ。


祐也から視線を外し、前を見る。

奥歯をギュッと噛み締めて、僅かに上を向いた。



しっかりしろ。
後少しじゃんか。

手のひらで、軽く太ももをつねる。


痛みで涙を引っ込めた。




前の競技も終わり、笛の合図。





……よし。


手のひらで軽く頬を叩き、足をグラウンド内へと入れた。
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