青空の下月夜に舞う 3


「言え」

「後でって言ってるじゃん」

「ダメだ。お前嘘吐く気だろ」

「そ!そんな事分かんないでしょ」

「ほら。動揺した」

「動揺してんのは、この状況に、だよ」


私達は見世物じゃない。
だけど、ここにいる人みんなの注目どころか、入場時に止まっているせいで、ほぼ全員がこちらを見てる。



見つめ会うこと数秒。







「よし。ご褒美決めた。お前の今日をもらうぞ」






なんで……っ。



「っ、」

「ほら、行け。お前らも見てんじゃねえよ。殺すぞコラ」



思わず言葉を詰まらせた私。

祐也は私の背中を押して、周りに言葉を向けた。


もういいのか、と。
一人、また一人と伝染し、しどろもどろの中、皆でグラウンドに入り、位置に着く。
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