青空の下月夜に舞う 3

スタートラインに立ち、くじを引くと運が良いのか悪いのか。
一番手前のレーンからスタート。


横を見れば……男ばっかで圧があるよ……


ふー。


この緊張が……昔は大好きだった。

目を瞑りたいけど、そんな余裕はなく、先生も待ってはくれなくて。


遠くから聞こえる、慶太郎や裸女の声。
美舞のみんなもこっちを見てる。

慶太郎の隣で静かに視線だけをこちらに向ける響も。


もう。泣かない。



「位置について」




先生の声に、軽く2回その場で跳ねた。

走る前のくせみたいなもの。

体に力が入りそうになるけど、深呼吸。




そして。


ピストルの音が鳴ったと同時に、地面を強く蹴った。



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