青空の下月夜に舞う 3

雄大は分かっていた様で、見事にそれを受け止めた。



「相変わらずだなお前。そんなに麻衣に惚れてんのか」



雄大が放った一言に、今度は祐也の足が蹴り上げられたけど。



「お前いいの?今問題起こして。俺麻衣の“家族”として学校入れてるんだけど?」



その言葉を聞いて、何で居るのかと言う一番の疑問は頭から吹っ飛ぶ。


当たり前だ。雄大なら簡単に学校に入れる。

見た目は不良には見えないし、もし確認されても“家族”だと言えば、怪しまれたって事実は変わらない。

体育祭に参加するのは容易いことなのに。


どうして頭がそこまで回らなかったんだろう。
雄大が来るなんて、想像すらしていなかった、私が馬鹿だ。
< 285 / 294 >

この作品をシェア

pagetop