青空の下月夜に舞う 3

「そんな事言ってねえだろ」

「俺にはそう聞こえる」

「麻衣の気持ちなんか、本人にしか分からねえだろうが」

「俺には分かる」

「はっ……!どっちがめでたいんだよ」



言い合う内容が、自分の事で。
祐也の想いが伝わる。

乱暴な口ぶりは、私にとっては日常で。


傷つけられた事なんて一度もない。



今日まで、って。

せめてこんな形じゃなくて。


みんなにちゃんと話をしてからがいいと思ってた。


私馬鹿だ。

二人の言い合いを見ていて、理由なんて意味がないんだと悟る。






「麻衣、家に帰ろう」






ああ。タイムリミットだ。





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