眠れる森の醜女
この城に連れてこられてから数日が過ぎた

シーラに世話になり

食事も身の回り品も服もなに不自由なく王子によって揃えられ

徐々に体力が戻ってきた眠り姫

姫に用意された部屋は十分すぎる程

広く綺麗で

こんなにもよくしてもらえて嬉しい限りのサラ姫だったが

不安も大きくなってくる

その不安は

目の前の王子・・エルダーによるものだった

「なんで顔を隠すのですか?」

薄いベールのようなもので顔全体を隠れるようにして

下を向き絶対にエルダーを見ようとしないサラ姫に

しびれを切らしたエルダーは

引き腰のサラ姫との距離を近づける

「なんで・・と申しましても・・」

「あーーーーなんでそんなに暗いのか!
俺は、あんたを醜いなんて思っちゃいない
目が二つ、鼻があって、唇がある、耳だって2つだ!
なにも変なところなんてない!なのに・・なんでそんなに顔を見せるのを嫌がる?」

距離を詰めてもがんとして顔を隠すサラ姫を不思議に思うエルダー

毎日この二人のやり取りは続いている

 
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