眠れる森の醜女
「なぜ、そんなにもわたくしの容姿にこだわるのです?」

「別にこだわってはないさ・・
言ってるでしょう?俺は剣を持って肉体労働をするよりも
歴史とかそういうものを研究するのが好きなんだと」

このエルダー王子は各国を回り

植物やその土地の珍しい文化を自分の目で見て

国に持ち帰り研究をするのを趣味としている変わりもの王子

として有名だった

サラ姫が起きれるようになってからはガンダー国について

それは興味深深に話を聞いてくる

「国のこととわたくしの容姿については別問題です」

「はぁ~~
大人しくて教養のあるお姫さまだと最初は思ったのに・・
頑固なところあるんだよな~」

サラ姫に聞こえないようにぼそりとエルダーがつぶやく

「サラ姫・・なぜあなたが目覚めたのか、その理由はお分かりか?」

「えっ?」

「俺が口づけをしたからですよ」

サラ姫が驚きの表情をした

いや、厳密にいえばベール越しであるため

たぶん驚いて顔が赤くなっているように見えるだけだが
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